こんにちは、のなかまです。
みなさんは、人に何かを伝えるとき、どんな方法を使っていますか?
身振り手振り、表情、声のトーン、あるいは図を描いて説明することもありますよね。
では、もしあなたが伝えようとしている相手が、こんな人だったらどうしますか?
- 目が見えない
- 耳が聞こえない
- 会話は文字だけで行うしかない
この相手に、あなたが実現したい「動き」や「考え」を伝えなければならない。
具体的には、どんな状況でエントリーして、どこで利確し、どこで損切するのか。
写真も見せられないし、一緒にチャートを見ながら説明することもできません。
すべてを “文字だけ” で説明する必要があるのです。
実は、AIを使って自動売買(EA)を作るときも、まったく同じことをしています。
AIは人間のように行間を読んでくれません。
「こういう感じで」「なんとなくこの辺りで」という曖昧さは通じません。
■ “落とし込む力” が重要になる理由
AIに自分の考えを正確に伝えるためには、
抽象的なイメージを、AIが理解できる具体的な指示に落とし込む力 が必要です。
たとえば、
- 「強い上昇トレンドだったら買い」と言うなら、
“強い” とはローソク足何本分なのか?
どんな値幅なのか?
どんな指標で判断するのか? - 「ラインにタッチしたらエントリー」と言うなら、
タッチとは何ピップ以内なのか?
ヒゲでもいいのか?
終値ベースなのか?
こういったことを“文字で”具体的に指示して、はじめてAIは動けます。
つまり、落とし込みの精度=自動売買の精度 になります。
■ ただし、理解に時間がかかる必要はない
ここまで聞くと、「難しそう…」「そんなに細かく説明できない…」
と思うかもしれません。
でも、実はそんなに身構えなくて大丈夫です。
なぜなら、あなたの説明相手であるAIは、
すでにトレードのことをよく知っている相手 だからです。
あなたが言葉に詰まった部分は、AIが補助してくれます。
また、AIに何度も質問しながら、少しずつ整理しながら進めても問題ありません。
落とし込みは、ゆっくりでいいのです。
■ 最初の一歩は「ひとつの単語」から
いきなり完璧なロジックを文章化しようとしなくて構いません。
まずは、チャートを見て気になる“ひとつの単語”をAIに投げてみましょう。
- 「ダブルボトム」
- 「押し目買い」
- 「移動平均線クロス」
- 「前日の高値」
なんでも構いません。
その単語をもとに、AIに
「これで自動売買を作ってみて」と頼んでみてください。
するとAIは、あなたが書いた単語の意味を踏まえて、
一定のロジックを作り、EAの形にしてくれます。
■ バックテストで “伝わり具合” を確認する
AIが作ったものをそのまま信じる必要はありません。
次にやることは、バックテストを見ることです。
そこで初めて、
- 自分の意図がちゃんと伝わっているのか
- AIが誤解している部分はないか
- 具体性が足りない部分はどこか
が視覚的に理解できます。
この “実際の動き” を見ながら、
「ここはこうじゃなくて…」とAIに再度指示することで、
ロジックはどんどんあなたのイメージに近づいていきます。
■ AI時代のスキルは「考えを言語化する力」
AIに落とし込むとは、
自分の頭の中にあるあいまいな感覚を、言葉として外に出す作業 です。
そしてそれは、トレードでも、仕事でも、学びでも、
どんな場面でも役に立つスキルです。
AIが強力になったこれからの時代、
「正しく言語化できる人」ほど大きな力を持つようになります。
まずは、自動売買という一つの小さなテーマでもいいので、
ぜひAIに向かって、自分の考えを落とし込む練習をしてみてください。

コメント